社会主義研究(読み)しゃかいしゅぎけんきゅう

改訂新版 世界大百科事典 「社会主義研究」の意味・わかりやすい解説

社会主義研究 (しゃかいしゅぎけんきゅう)

(1)1906年3月堺利彦由分社(堺が漢字〈堺〉のつくりを分解して命名した出版社)から創刊した社会主義雑誌。4,5,7,8月号の5号で資金難のため廃刊。創刊号には週刊《平民新聞》(53号)に掲載して発禁となった《共産党宣言》全文を載せた。クロポトキンエンゲルス,リープクネヒト,カウツキーらの論文を訳載したり,世界の社会主義運動のいち早い紹介をした。

(2)1919年4月,堺利彦と山川均によって創刊された雑誌。月刊。平民大学発行。社会主義の科学的研究を目的とした。当初は社会主義理論の紹介と解説が中心だったが,20年半ばごろよりソビエト制度の研究に多くの誌面をさき,新生労農ロシアの実情を紹介するうえで大きな役割を果たした。23年4月《前衛》《無産階級》と合併して《赤旗》となり,第1次日本共産党の理論機関誌となった。

(3)1924年5月山崎今朝弥が新光社から創刊した日本フェビアン協会の機関誌。月刊。25年7月号(15号)で廃刊。安部磯雄,石川三四郎,新居格らを中心に,社会主義を知識人や労働者に現実のものとして浸透させるべく,積極的な主張を展開した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の社会主義研究の言及

【解放】より

…文芸欄には小川未明,宮地嘉六,金子洋文らが執筆,しだいに労働者作家,社会主義的作家の寄稿が増加したが,関東大震災のため23年9月終刊した。(2)第2次 25年山崎今朝弥(けさや)の経営に移り,日本フェビアン協会の《社会主義研究》を7月号より《解放》と改題,10月号から総合雑誌化された。定価は50銭。…

※「社会主義研究」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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