祝く(読み)ホク

デジタル大辞泉 「祝く」の意味・読み・例文・類語

ほ・く【祝く/寿く】

[動カ四]後世は「ほぐ」》
よい結果が得られるよう祝いの言葉を唱えて神に祈る。ことほぐ。
「あしひきの山の木末こぬれ寄生ほよ取りて挿頭かざしつらくは千年―・くとぞ」〈・四一三六〉
相手をのろって神に祈る。
「矢を取りて―・きてのたまはく」〈神代紀・下〉

ほさ・く【祝く/呪く】

[動カ四]
(祝く)祝いごとを述べる。ことほぐ。
「則ちて神―・き―・きき」〈神代紀・上〉
(呪く)祈って他人の不幸を願う。のろう。
「火の中に投げ入れむとして―・きて曰く」〈北野本欽明紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「祝く」の意味・読み・例文・類語

ほさ・く【祝・呪】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
  2. ( 祝 ) 神に祝いごとを述べる。ことほぐ。かんほさく。
    1. [初出の実例]「時に中臣の遠祖天児屋命、則ち以て神祝き祝きき。〈略〉〈神祝祝之、此をば加武保佐枳保佐枳枳(カムホサキホサキキ)と云ふ〉」(出典日本書紀(720)神代上)
  3. ( 呪 ) 祈って人が不幸になるように願う。のろう。かしる。
    1. [初出の実例]「将に火の中に投れむとして〈火に投れて刑と為す、蓋(けた)し古の制(のり)なり〉呪(ホサキ)て曰く」(出典:日本書紀(720)欽明二三年六月(北野本訓))

ほ・く【祝・寿】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 ( 後世は「ほぐ」 )
  2. よい結果が得られるように、祝福ことばを唱える。また、そのようにして神に祈る。ことほぐ。いわう。
    1. [初出の実例]「あしひきの山の木末の寄生(ほよ)取りてかざしつらくは千年(ちとせ)保久(ホク)とそ」(出典:万葉集(8C後)一八・四一三六)
  3. 相手に悪い結果が来るように神に祈る。のろう。
    1. [初出の実例]「矢を取て咒(ホキ)て曰はく」(出典:日本書紀(720)神代下(鴨脚本訓))

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