神叡(読み)しんえい

朝日日本歴史人物事典 「神叡」の解説

神叡

没年:天平9(737)
生年:生年不詳
奈良時代の法相宗の僧。持統朝(686~697)のころに来日した唐僧で,法相六祖のひとり。大和(奈良県)元興寺の僧で法相,唯識,三論に通じ,大安寺道慈と共に「釈門の秀」と称される。芳野現光寺(放光寺または比蘇山寺ともいい,奈良県吉野郡大淀町比曾に現存する寺院)で密教修法の虚空蔵求聞持法による自然智を感得したことから芳野僧都とも呼ばれる。神叡の入山以来,現光寺では「自然智宗」と呼ばれる山林修行の伝統が形成される。自然智宗は元興寺法相学派を中核に奈良時代を代表する最有力の学派になるなど,のちの日本仏教に与えた影響は大きい。<参考文献>薗田香融『平安仏教研究

(井野上眞弓)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「神叡」の解説

神叡 しんえい

?-737 奈良時代の僧。
法相(ほっそう)宗。唐(とう)(中国)の人ともいう。大和(奈良県)元興(がんごう)寺の学僧義淵(ぎいん)にまなび,法相・華厳・三論に通じ,大安寺の道慈とともに「釈門の秀」と称される。天平(てんぴょう)元年少僧都。芳野(吉野山)の現光寺で虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の霊感をえたという。天平9年死去。通称は芳野僧都。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

普及版 字通 「神叡」の読み・字形・画数・意味

【神叡】しんえい

神睿

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