菩薩の一つ。サンスクリット語アカーシャガルバĀkāśagarbhaの訳。宇宙のすべてのものを含み、虚空(大空)のように無量の福徳・智慧(ちえ)を具(そな)え、これをつねに衆生(しゅじょう)に与えて諸願を成就させる菩薩である。また、大日如来(にょらい)の福と智の二徳を本誓(ほんぜい)(根本の誓願)とするため、同体とする菩薩が多い。たとえば、金剛宝菩薩、虚空庫菩薩(『理趣経』)、金剛胎菩薩(『摂真実経』)、地蔵菩薩がそれであり、またこの菩薩の化身に明星(『虚空蔵神呪経(しんじゅきょう)』)、日月星(『宿曜儀軌(しゅくようぎき)』)がある。奈良時代に将来された求聞持(ぐもんじ)法(虚空蔵菩薩を本尊として修する行法)以降、虚空蔵信仰が盛んとなり、曼荼羅(まんだら)にも描かれ、胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅の虚空蔵院の中心仏となった。彫像、絵画にも多く描かれる。その形像は菩薩形で、右手に智慧を表す剣、左手に福徳を表す蓮華(れんげ)と如意宝珠(にょいほうじゅ)を持ち、頭上に五つの智慧を表す冠をかぶる。京都嵯峨(さが)の法輪寺は嵯峨虚空蔵と称して親しまれており、毎年4月13日には子供に智恵が授けられるという十三参りでにぎわう。茨城県東海村の村松(むらまつ)虚空蔵堂、福島県柳津(やないづ)町の円蔵寺(柳津虚空蔵)は嵯峨の虚空蔵とともに日本三虚空蔵といわれる。
[小野塚幾澄]
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