神滝遺跡(読み)こうたきいせき

日本歴史地名大系 「神滝遺跡」の解説

神滝遺跡
こうたきいせき

[現在地名]宮川村神滝

宮川上流左岸の神滝は曲流部に沿って三日月状に形成された中位段丘上にあり、遺跡はこの張出部、集落内の畑地にある。北側は急峻な山地が迫り、南側は一段低い段丘をおいて河岸に達する。ちょうど対岸で支流の島谷しまたに川が合流する。標高は約一四八メートル。ここから昭和一九年(一九四四)耕作中にいわゆる異形局部磨製石器が総数一六点、集中的に出土した。長さは三―九センチのものまで大小の違いがある。特徴は石材がすべてチャート製であること、器形は先端部が尖らず、鈍く丸味を帯び、両脚部が少し外反すること、基部の抉入が浅く、小型品は鍬形鏃によく似ていること、なかには器面に研磨痕があり、まるで溶けたような感じになっていることなどである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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