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神羔礼賛 しんこうらいさんAdoration of the Lamb of God

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神羔礼賛
しんこうらいさん
Adoration of the Lamb of God

キリスト教美術の主題。旧約聖書中に,人類の罪をになって死をとげる救世主イエス・キリストを羊にたとえ,また新約聖書では,『ヨハネによる福音書』1章 29で「世の罪を取除く神の小羊」とキリストが呼ばれているところから,キリスト教美術においては小羊 (羔) がしばしばキリストを象徴するものとして表現されている。初期キリスト教美術では,羊はむしろキリストの使徒や信徒を表わし,この場合キリストは「善き羊飼い」として小羊を背負う青年像に表わされることが圧倒的に多かったが,4世紀頃からキリスト自身を羊によって表現し,これを礼賛することが盛んになった (6世紀のラベンナのサン・ビターレ聖堂中央天井のモザイク,5世紀のガルラ・プラチディア廟の大理石棺など) 。神羔 (→アニュス・デイ ) は神の栄光を表わす最も象徴的な図像として,12世紀以後には復活したキリストを表わす幡 (ばん) なども添えて描写されるようになる。特に,『黙示録』5章6以下により,最後の審判の日に出現する「屠 (ほふ) られた小羊=キリスト」として,天国の景色のなかに,ときには胸に傷を受け血を流す小羊として表わされるようになった。アンジェ美術館蔵の『ヨハネの黙示録』タペストリー (14世紀末) 中の『神羔礼賛』図は有名。またヤン・ファン・アイクがヘントの祭壇画中に描いた大構図 (1432完成) は最も代表的な作例である。

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