票号ともいう。清代,道光初期(1820~30年)に山西商人によって始められた為替業務を主とする金融機関。民間の送金業務から起こり,太平天国の頃から中央と地方の官金の送金や預金を取り扱い,さらに官僚層との間に特殊な金融関係を持つようになって急速に発展した。その営業網は中国全土の主要都市に広がり,中国金融市場に絶大な勢力を占めた。しかし清朝の滅亡とともに,官金取扱い業務を失ったため急速に衰亡した。なお票荘はほとんど山西商人の経営であったため「山西票荘」の名がある。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中国の旧式金融業。旧式金融業は銭荘のほか,銭店・銭舗,銀号,票荘・票号などいろいろの名称でよばれるが,そのちがいは主として業務内容とか,地域的な呼びかたのちがいに求められる。銭店・銭舗は歴史もふるく,比較的小型で両替業務を主とする。…
…宋代では便銭といって官私で盛用した。清代では会票,のち匯票(わいひよう)といい,業者を票号,票荘,匯兌荘(わいだそう)と称し,山西商人の山西票号は金融界を制し,手形,預金,貸出しで巨富をなした(匯は水の回流を指す)。匯票は記名,無記名,一覧払,期日払,一覧後期日払の別があり,裏書制度も生じ,支払拒絶のとき手形所持人は直接の交付者か振出人に請求した。…
…中国の旧式為替銀行で,別に匯兌荘(わいだそう),票荘ともいうが,山西商人の経営するものが有力であったから,山西票号として知られる。古くから商業の発達していた中国では,この種の業務も古くから存在したはずであるが,文献的に確実なのは19世紀初め,山西省平遥県に本店をもつ日昇昌が最初である。…
※「票荘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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