祭礼物(読み)さいれいもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「祭礼物」の意味・わかりやすい解説

祭礼物
さいれいもの

歌舞伎舞踊の一種。祭礼のはなやかな風物を描いたものをいう。江戸の市井の風俗,行事に取材した風俗舞踊の一種で,文政~天保年間 (1818~44) に流行した。山王日枝神社に取材した『再茲歌舞妓花轢 (またここにかぶきのはなだし) 』通称『申酉』 (26) ,三社祭に取材した『弥生の花浅草祭』 (32) ,神田祭に取材した『〆能色相図 (しめろやれいろのかけごえ) 』 (39) ,曾我祭 (のちに山王祭に改めた) に取材した『勢獅子劇場花篭 (きおいじしかぶきのはなかご) 』 (51) などがある。祭礼の山車 (だし) の人形,手古舞や鳶の者などの姿で踊るものが多い。曲目長唄常磐津清元にわたる。

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