福田天神遺跡(読み)ふくだてんじんいせき

日本歴史地名大系 「福田天神遺跡」の解説

福田天神遺跡
ふくだてんじんいせき

[現在地名]龍野市誉田町福田 天神

林田はやしだ川の左岸に位置し、北をささ山、東を坊主ぼうず山に囲まれた標高一八メートル前後の沖積地に立地する。弥生時代の土壙二基があるが、主体は一二世紀後半から一四世紀前半の大和法隆寺領いかるが庄に伴う遺跡。昭和五五年度に発掘調査が実施された。七棟の東西棟掘立柱建物が明らかになっている。建物は溝によって東西の二群に分れ、東に二時期四棟、西に三時期三棟が認められる。東部地区は大小二棟が一組の建物として二時期にわたって建てられている。その組合せは配置および重複関係からみて、北側のSB〇一(二間×六間の東西棟)とSB〇三(三間×四間の東西棟)、SB〇二(五間×六間の東西棟)とSB〇四(三間×三間の南北棟で南東部に一間の張出し)が同一時期と考えられる。二組の前後関係は遺構の切合によってSB〇一・SB〇三の廃棄後、SB〇二・SB〇四が建てられたものである。西の建物群は同一場所で建替えられていることから、三時期の所産であることが明らかである。しかし柱穴での前後関係は不明で、建物群と溝SD〇一との間に柵列と推定できる三条のピット列があり、またSK一〇が池であると考えられることから、三時期の建物と組合うと想定できる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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