福田宗一(読み)フクダ ソウイチ

20世紀日本人名事典 「福田宗一」の解説

福田 宗一
フクダ ソウイチ

昭和期の昆虫生理学者 愛知医科大学名誉教授;元・名古屋大学理学部教授;元・愛知学院大学教養部教授。



生年
明治40(1907)年11月4日

没年
昭和59(1984)年3月10日

出生地
和歌山県

学歴〔年〕
東京帝大理学部動物学科〔昭和8年〕卒,東京帝大大学院〔昭和11年〕修了

主な受賞名〔年〕
中日文化賞(第5回)〔昭和27年〕,日本学士院賞〔昭和32年〕

経歴
昭和11年製糸会社の研究所に入り、カイコを研究。昆虫の前胸腺(せん)から分泌される特殊なホルモン脱皮変態に果たす役割を解明し、27年に第5回中日文化賞、32年には学士院賞受賞。37年名古屋大学理学部教授。定年退官後、愛知医大、愛知学院大教授を務めた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「福田宗一」の解説

福田宗一 ふくだ-そういち

1907-1984 昭和時代の昆虫生理学者。
明治40年11月4日生まれ。昭和11年片倉製糸紡績(現片倉工業)蚕業試験所(のち蚕業研究所)にはいり,29年所長。名大教授,愛知医大教授をつとめた。19年昆虫の変態をおこすホルモンが前胸腺でつくられることを世界ではじめて解明。32年学士院賞。昭和59年3月10日死去。76歳。和歌山県出身。東京帝大卒。著作に「生物発生」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の福田宗一の言及

【前胸腺】より

…前胸腺は最初ボクトウガの幼虫でリヨネP.Lyonetによりcorps grenuと記載された(1762)。その後他の昆虫でもみつかり,さまざまな名で呼ばれたが,この器官がエクジソンの産生器官であることを証明した福田宗一(1940)が,桂応祥(1930)の提出した前胸腺prothoracic glandの名称を用いたことから今日に至る。しかし,エクジソンを分泌する器官の存在位置は種によって異なり,かつその部域にちなんだ名称がそれぞれに付されているため総称はなく,現在では脱皮腺ecdysial glandの名称が提案されている。…

※「福田宗一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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