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前胸腺 ぜんきょうせん prothoracic gland

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

前胸腺
ぜんきょうせん
prothoracic gland

カイコなど完全変態をする昆虫の幼虫や蛹にみられる内分泌器官で,成虫では退化する。鱗翅類の幼虫では前胸部に左右1対の細長い三角形の腺として存在するが,頭部に小さな腺として存在するもの (バッタ) など,位置と形態はいろいろである。

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デジタル大辞泉の解説

ぜんきょう‐せん【前胸腺】

昆虫の幼虫の内分泌器官。一般に完全変態する昆虫にみられ、ホルモンを分泌する。

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百科事典マイペディアの解説

前胸腺【ぜんきょうせん】

完全変態昆虫の幼虫,蛹(さなぎ)の前胸部にある内分泌腺。典型的なものは鱗翅(りんし)目の幼虫にみられ,白色半透明の細長い三角形の器官。ふつう成虫では退化するが,成虫になっても脱皮する無翅類では,成虫にも前胸腺がある。
→関連項目アラタ体変態ホルモン

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世界大百科事典 第2版の解説

ぜんきょうせん【前胸腺】

昆虫の幼虫とさなぎ,無翅(むし)類では成虫にもある腺性の内分泌器官で,エクジソン(脱皮ホルモン)を分泌する。前胸腺は最初ボクトウガの幼虫でリヨネP.Lyonetによりcorps grenuと記載された(1762)。その後他の昆虫でもみつかり,さまざまな名で呼ばれたが,この器官がエクジソンの産生器官であることを証明した福田宗一(1940)が,桂応祥(1930)の提出した前胸腺prothoracic glandの名称を用いたことから今日に至る。

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大辞林 第三版の解説

ぜんきょうせん【前胸腺】

昆虫の幼虫・蛹さなぎにみられる内分泌器官。脱皮ホルモンの一つである前胸腺ホルモン(エクジソン)を分泌する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

前胸腺
ぜんきょうせん

昆虫がもつ腺性の内分泌器官の一つをいう。昆虫の前胸部にあることが多いためこの名が使われるが、トンボ、バッタでは頭部の腹側にあるので腹面腺、カメムシなど半翅(はんし)類では前胸より後方にあるため胸腺、ハエなど双翅類では環状腺(ワイスマン環ともいい、両側部が前胸腺と相同)ともよばれることがある。チョウやガなど鱗翅(りんし)類での典型的な前胸腺は、左右の前胸気門の内側の気管叢(そう)にそれぞれ付着し、一端が頭部へ伸びる細長い三角形をしている。
 前胸腺は樹状核をもつ大形の細胞の集団で、生きている状態では半透明である。胚(はい)発生期に頭部最後部の左右で陥入する一対の細胞塊から発生し、幼虫期から蛹(よう)期前期まで内分泌腺として働く。シミなど無変態の昆虫以外では蛹期間中に退化し、成虫ではみられなくなる。前胸腺の存在は、すでに1762年にはリオネP. Lyonetによって記載されていたが、その機能の詳細がわかったのはごく最近のことである。
 前胸腺は、脳の神経分泌細胞から分泌される脳ホルモンにより刺激され、前胸腺ホルモンを分泌する。前胸腺ホルモンは幼虫期にはアラタ体ホルモンと協同して働き幼虫脱皮を引き起こすが、最終幼虫期でアラタ体ホルモンが欠如した状態で蛹化を引き起こす。さらに、蛹(さなぎ)に働いて成虫化をおこさせる。このような発生を前進させる働きのため、前胸腺ホルモンは脱皮ホルモン、蛹化ホルモン、あるいは変態ホルモン、変態促進ホルモンともよばれている。1954年にブーテナントA. ButenandtとカールゾンP. Karlsonにより、500キログラムの雄蚕の蛹から0.25ミリグラムの前胸腺ホルモンが抽出・純化された。1965年その化学構造が明らかにされ、エクジソンと命名された。この純化されたホルモンを用いた実験により、昆虫が変態する際、細胞の核から出される遺伝情報が切り替えられることが明らかにされている。ステロイド化合物であるこのエクジソンの合成の経路、あるいは細胞に働きかけるときの細かな機構などについて研究が進められている。[竹内重夫]

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