福町村(読み)ふくまちむら

日本歴史地名大系 「福町村」の解説

福町村
ふくまちむら

[現在地名]小矢部市福町・西福町にしふくまち東福町ひがしふくまち今石動町いまいするぎまち一―二丁目

今石動町東端の川原かわら町の東、小矢部川両岸の平地に立地し、幕末には本村のほか中島なかじま社内しやない古福ふるふく町・金屋かなや町・きた町・七ッ屋ななつやなどで構成された。北陸街道は当地で小矢部川を渡り、同川右岸沿いに福野ふくの(現福野町)へ至る福野(戸出往来)が分岐する。慶長一一年(一六〇六)二月の福町村船頭居屋敷扶持状(川合家文書)に「小矢部福町村分 渡船船頭中」とみえ、当地に小矢部川渡河の渡場が置かれた。もと小矢部川右岸沿いの古福町の地にあった村が、その後北陸街道沿いに発展したものという(小矢部市史)

元和五年(一六一九)の家高新帳によれば「ふく町」は役家数四七、二郎島孫次組。「福町村」は役家数二、桜町組に属する。正保郷帳では高二九五石余、田方一七町余・畑方二町七反余、新田高三四石余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印では草高三七八石・免八ツ、小物成は町役銀二一五匁(ほかに明暦二年には銀子一〇枚を上納したがのち免除された)・鮭役一五七匁・鱒役一〇匁・鮎川役四匁、猟船櫂役二〇目(ほか二〇目退転)・室役一〇匁・紺屋役一五匁、油一二匁(出来)・川船櫂役一〇五匁(出来)・酒役(先役のうち残り)であった(三箇国高物成帳)。所属組は小矢部島おやべじま村に同じ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android