朝日日本歴史人物事典 「禽語楼小さん」の解説
禽語楼小さん
生年:嘉永2.8(1849)
明治期の落語家。延岡藩(宮崎県)藩士の家に生まれる。本名大藤楽三郎。元治のころ初代柳亭燕枝に入門して燕花,一時静岡へ出奔,明治9(1876)年燕静と改め,12年燕寿の名で東京の高座に正式に復帰した。16年から柳家小さんとなる。初代は「春風亭」だったが,この2代目から「柳家」を名乗った。噺家向きの珍面で滑稽噺に優れ,三遊派の「鼻の円遊」と並び称された。高調子で鳥のさえずるように喋るところから,21年松本順に贈られた楼号により,禽語楼小さんと称したが,28年に小さんの名を弟子に譲ったのちは柳家禽語楼と名乗った。<参考文献>「小さん代々」(『落語界』32号)
(山本進)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報