改訂新版 世界大百科事典 「私鉄総連」の意味・わかりやすい解説
私鉄総連 (してつそうれん)
正称は日本私鉄労働組合総連合会。連合,交運労協(全日本交通運輸産業労働組合協議会)の加盟組合。1947年1月大阪市で結成大会を開く。結成と同時に産業別最低賃金協定をめざして統一闘争を開始し,二・一ストにも参加した。賃金,臨時給,退職金など全国的な統一労働条件の改善,確立の闘争を重ねる。48年には私鉄経営者連盟(現,民営鉄道協会)との間に中央労働協約を締結,内容を一部改定し現在に至る。50~60年代,地方鉄道の衰退とバス事業の拡大により,バス専業組合の加盟が増え,私鉄傍系ハイタク組合に門戸を開くなどして60年代末には200組合,23万人の勢力となる。中央労働委員会(中労委)の調停,斡旋(あつせん)により,賃金などの紛争解決を図ることが多かったが,70年後半から大手組合の中央集団交渉を軸に自主交渉,自主解決に取り組み,80年代に入りこれが定着した。国際的には国際運輸労連(ITF)に82年に加盟している。組合員数公称10万人(2009年3月末現在)。
執筆者:池村 良一
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