統一闘争(読み)とういつとうそう

共同通信ニュース用語解説 「統一闘争」の解説

統一闘争

労働組合が企業の枠を超えてまとまり、賃上げなどを経営側に求める運動。日本では労組が企業別に組織され、企業規模や経営状態によって賃金格差が生じやすいことから、共通目標を設定し業界全体の賃金底上げにつなげる狙いがある。電機大手には多くの工場や下請け企業があり影響力が大きいため、春闘要求回答を各社横並びとしてきた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「統一闘争」の意味・わかりやすい解説

統一闘争
とういつとうそう

労働組合が企業の枠を越えて産業別、全国的、地域的にまとまり、共通の課題、目的を実現するために共同して行う闘い。代表的な例としては、国民春闘共闘会議が毎年国会の予算審議期の春季に賃上げなどの要求を掲げて行う全国的産業別統一闘争(春闘)があるが、1960年(昭和35)の日米安全保障条約改定反対闘争、毎年10月21日に行われる国際反戦デーなど、政治課題での統一闘争も組織される。資本支配強化に対する労働組合の個別的、分散的闘争は無力である。したがって、労働組合は共通する要求・課題で統一し、闘争の幅と量を拡大しつつ効果的な闘争を展開しなければならない。近年、国家独占資本主義のもとで資本家階級の労働者階級に対する支配が産業別支配を軸に全面的に強化され、合理化、労務管理、賃金抑制、労働協約改悪、インフレーションなどが顕著となっているなかでは、企業の枠を越えた統一闘争は、基本的な運動路線として位置づけられている。統一闘争は、労働運動における階級的な力量を飛躍的に高めるだけでなく、労働戦線の統一を促進させるうえでも、重要な役割を果たしている。

[吉田健二]

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