秋の契り(読み)アキノチギリ

デジタル大辞泉 「秋の契り」の意味・読み・例文・類語

あき‐の‐ちぎり【秋の契り】

秋に会おうという約束。特に、男女の約束。
天の川―の深ければ夜半よはにぞ渡すかささぎの橋」〈続後拾遺・秋上〉
(「秋」に「飽き」を掛けて)さめてきた男女間の情。
「互ひに―とはなさざりし」〈謡・夕顔

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精選版 日本国語大辞典 「秋の契り」の意味・読み・例文・類語

あき【秋】 の 契(ちぎ)

  1. 秋に会うという男女の約束。多く牽牛星と織女星の間をいう。
    1. [初出の実例]「天の川秋の契の深ければ夜半にぞ渡す鵲(かささぎ)の橋〈大中臣輔親〉」(出典続後拾遺和歌集(1326)秋上・二五一)
  2. ( 「秋」に「飽き」をかけて ) 疎遠になった男女の仲。
    1. [初出の実例]「閨(ねや)の扇の色ことに、互ひに秋のちぎりとは、なさざりし篠目(しののめ)の」(出典:光悦本謡曲・夕顔(1423頃))
  3. ( 「千秋の契り」の意で、男女に限らず一般的に ) 秋ごとの約束。長く続く約束。
    1. [初出の実例]「ひと時の花と見れども女郎花秋のちぎりを世々に結ばん〈二条院讚岐〉」(出典:千五百番歌合(1202‐03頃)六五三番)

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