秋目村(読み)あきめむら

日本歴史地名大系 「秋目村」の解説

秋目村
あきめむら

[現在地名]坊津町秋目

三方を山に囲まれ、南に秋目浦が開ける。海岸線を南下するといま岳、鶴喰つるくい崎を境に加世田郷大浦おおうら(現大浦町)に接し、西の沖秋目おきあきめ(枇榔島)との間に秋目湾が広がる。平地がなく、海岸沿いに集落をなす。中央を清水きよみず(現秋目川)が南流して海に注ぐ。大浦村から同川沿いを下り、海岸沿いを南下して久志くし村に至る往還道が走る。奈良時代に奈良唐招提寺を建立した唐僧鑑真の上陸地とされ、中世には加世田別符のうちに含まれた。

唐大和上東征伝」によれば、鑑真の乗った第一〇次遣唐使第二船は、天平勝宝五年(七五三)一二月一八日に益救やく(屋久島)を発して、二〇日の午の刻に「薩摩国阿多郡秋妻屋浦」に着いた。このことから、秋妻屋あきめや浦は阿多あた郡であったことがわかる。「今昔物語集」巻一一の第八話「鑒真和尚、従震旦渡朝伝戒律語」には「十二月ノ廾五日ニ、此ノ朝ノ薩摩ノ国、秋妻ノ浦ニ着ヌ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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