田植機で移植するために育苗箱で育てるイネの苗は、葉の数(葉齢)によって3枚のものを稚苗、4、5枚のものを中苗(ちゅうびょう)、6、7枚のものを成苗(せいびょう)と分類している。稚苗は、規定の育苗箱(30×60×5センチメートル)に種もみを150~200グラム播(ま)いて、20~25日間育てる。稚苗はもっとも高密度に播種(はしゅ)できるところから本田10アール当り植付け箱数は20箱ほどで、他の苗より少なくてすみ、したがって育苗施設も小面積ですむ。また育苗期間が短いから管理労力が少なく、育苗に自然あるいは人為的災害を受ける危険度も少ない。このため育苗環境を人工調節しやすく、大規模育苗施設、育苗センターによって合理的に育苗でき、苗を商品として生産販売することも行われている。稚苗は活着が優れ、活着低限気温も12℃で、中苗(13℃)や成苗(約15℃)よりも低いので、早期移植にも適する。現在の日本の田植がすべて田植機植えにかわったのは、稚苗の育苗技術の開発と普及によるところが大きい。
[星川清親]
…昭和40年代の田植機の開発は育苗箱を利用した室内育苗と結びついたものである。機械移植時の苗を苗の大きさによって稚苗(本葉2~3枚,育苗日数15~20日),中苗(本葉3~4枚,育苗日数20~30日),成苗(本葉4枚以上,育苗日数30日以上)という。
[野菜の育苗]
ナス,ウリ類,ネギなどの野菜類は江戸時代から露地育苗が行われていた。…
※「稚苗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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