日本歴史地名大系 「稲穂峠」の解説 稲穂峠いなほとうげ 北海道:後志支庁共和町小沢村稲穂峠岩内(いわない)郡共和町と余市(よいち)郡仁木(にき)町の境にある峠。標高五六五メートルで、堀株(ほりかつぷ)川支流のシマツケナイ川沿いに国道五号(羊蹄国道)が通り、峠北西部で稲穂トンネルを抜ける。南東の稲穂嶺(五六四・六メートル)と銀(ぎん)山(六四〇・五メートル)の間にはJR函館本線の稲穂トンネルがある。近世より難所として知られた峠越え道。「丁巳日誌」(曾宇津計日誌)ではエナヲ峠とみえ、「此坂を上るや凡五丁計にて、大なる樺の木の根に木幣を多く立たり」とあり、「またルヘシベとも云。ルヘシベは山越と云事なりけり」という。玉虫「入北記」には稲穂峠とある。ヨイチ絵図(増田家蔵)ではイワナイ、ヨイチの境で高札と小休所が描かれ、ヨイチ運上家から七里一三丁とする。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報