朝日日本歴史人物事典 「稲葉迂斎」の解説
稲葉迂斎
生年:貞享1.9.17(1684.10.25)
江戸中期の儒学者。名は正義,迂斎は号。下総国(千葉県)佐倉藩士の子として江戸に生まれ,佐藤直方から朱子学を学ぶ。正徳5(1715)年,肥前(佐賀県)唐津藩の儒官となる。晩年,闇斎学派の大家として名声高く,各地の藩主が師事した。直方のほか,三宅尚斎,浅見絅斎からも学んでおり,多くの門人に崎門の学をよく伝えた。没後は,子の黙斎が跡を継ぎ,活躍した。著書としては,『近思録講義』(全14巻),『親民須知』『迂斎先生学話抄略』などのほか,『迂斎文集』(全10巻),『同続集』(全4巻),『同別集』がある。
(柴田篤)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報