… しかしその藤原不比等が720年に死去すると,直ちに《日本書紀》撰進の大任を果たしたばかりの舎人(とねり)親王が知太政官事に,新田部(にいたべ)親王が知五衛及授刀舎人事に就任,また翌年には長屋王(父は高市皇子)が右大臣に昇進して,天武系皇親が新政権の中核となり,政局は大きく転換した。時も時,元明太上天皇が病死,また多治比三宅麻呂と穂積老が謀反誣告と乗輿指斥の罪で配流される事件が起こって不穏な情勢となったが,間もなく724年(神亀1)には首皇子が聖武天皇として即位し,ついで安宿媛との間にはじめて皇子(基王とも伝える)が誕生,直ちに立太子された。ところがその皇太子は生後1年で夭死し,皮肉にも同じ年聖武天皇のもう一人の妃県犬養広刀自(ひろとじ)に安積(あさか)親王が生まれた。…
※「穂積老」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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