空五倍子色(読み)ウツブシイロ

デジタル大辞泉 「空五倍子色」の意味・読み・例文・類語

うつぶし‐いろ【空五子色】

ヌルデからとった五倍子ふしで染めた薄墨色

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精選版 日本国語大辞典 「空五倍子色」の意味・読み・例文・類語

うつぶし‐いろ【空五倍子色】

  1. 〘 名詞 〙 白膠木(ぬるで)の枝に生ずる五倍子(ふし)で染めた薄黒い色。喪服に用いる。にびいろ。うつぶし。
    1. [初出の実例]「春の名残の、朧染うつぶし色の御所染は」(出典:浄瑠璃・融大臣(1692頃)二)

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色名がわかる辞典 「空五倍子色」の解説

うつぶしいろ【空五倍子色】

色名の一つ。わずかにがかった灰みの焦茶こげちゃ色。ウルシ科ヌルデの葉にヌルデノミミフシという虫が寄生してできたコブを「五倍子ふし」といい、中が空洞になっているため空五倍子という。そのコブで染めた色。みが濃い色から褐色寄りまで幅がある。着物や和装小物などに合う。平安時代公家武士、また江戸時代の既婚女性が行ったお歯黒材料にも使われた。鉄を酒や茶などに浸して酸化させた液に、空五倍子の粉を混ぜて歯に塗った。

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