五倍子(読み)ゴバイシ

デジタル大辞泉の解説

ごばい‐し【五倍子】

ふし(五倍子)

ふし【五子/付子/附子】

ヌルデの若芽や若葉などにアブラムシが寄生してできる虫癭(ちゅうえい)虫こぶ)。紡錘形で、タンニンを多く含み、インク・染料の製造に用いる。昔はお歯黒に用いられた。ごばいし。 秋》「山の日は―の蓆(むしろ)に慌し/青畝

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百科事典マイペディアの解説

五倍子【ごばいし】

付子(ふし)とも。ウルシ科植物のヌルデ等の葉にヌルデシロアブラムシが与えた刺傷より生じた虫こぶを乾燥したもの。長さ8cm,径6cmほどの不整に分岐した灰黄〜黄褐色の袋状物質。内部の空洞に死虫や虫蝋を包有することがある。主成分はタンニン酸で,医薬品のタンニン酸やインキ,染料の製造原料として用いる。
→関連項目キブシ収斂薬タンニンヌルデ没食子

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世界大百科事典 第2版の解説

ごばいし【五倍子】

ウルシ科ヌルデ属Rhus樹木の葉の付け根にできる虫こぶを乾かしたもの。タンニン酸の原料である。ヌルデシロアブラムシの幼虫などが寄生するときつけた傷および樹幹内で生育する幼虫の運動などの刺激により,それを取り囲む樹木の組織が肥大し,変質して虫こぶとなる。大きさは長さ8cm,幅1~6cm。幼虫の羽化前に採集したものが使われる。子は虫の死体を含み,そのほかの部分の主成分はタンニン酸で50~70%,他はデンプン,蠟(ろう)などである。

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

五倍子 (ゴバイシ)

植物。ウルシ科の落葉小高木,薬用植物。ヌルデの別称

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世界大百科事典内の五倍子の言及

【ヌルデ(白膠木∥塩麩子)】より

…ヌルデシロアブラムシの仲間が寄生して葉に虫こぶをつくる。それを五倍子(附子(ふし))とよぶので,一名フシノキともいう。フシは薬用,染料としてのタンニン原料である。…

【虫こぶ】より

…虫こぶを作る動物は99%が昆虫で,ほかにダニ,クモ,糸状虫がある。とくにブナ科植物に作るインクタマバチの虫こぶを没食子,ヌルデ属植物に作るアブラムシ類の虫こぶを五倍子と呼び,タンニンの原料とする。しかし,作物,果樹にできた虫こぶは,生育の妨げとなる。…

※「五倍子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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