普及版 字通 「穽」の読み・字形・画数・意味
7画
(異体字)穽
9画
[字訓] おとしあな・あな
[説文解字]
[その他]
[字形] 形声
声符は井(せい)。井は陥穽の形。〔説文〕五下に「陷(おとしい)るるなり」とし、亦声とする。重文として、穽と古文とを録し、古文の字は水に従う。〔周礼、秋官、冥氏〕に「(せいくわく)を爲(つく)り、以て猛獸を攻め、靈鼓を以て之れを毆(う)つことを掌る」とあって、は猛獣を捕獲するために設ける。卜文に、陥穽に獣の陥る象を示すものが多い。(ふ)は神の陟降する神梯の象であるから、はその聖域を守るために設けられたものであろう。金文には土(社)に従う形の字がある。浅いに逆木をうちこんだものを柞鄂(さくがく)という。古文の形を〔説文〕に水に従うものとするが、その形は三人に従うものであろう。
[訓義]
1. おとしあな、あな。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アナ
[語系]
dzieng、井tziengは声義近く、井は井垣・陥穽・丹井・刑・型の初文として用いられ、もと構木の象。は聖所の陥穽をいう。
[熟語]
▶
[下接語]
陥穽
穽
9画
(異体字)
7画
[字訓] おとしあな・あな
[説文解字]
[字形] 形声
声符は井(せい)。〔説文〕五下に字をに作り、「陷(おとしい)るるなり」とあり、陥穽をいう。は神梯の象である(ふ)に従っており、その呪禁として設けたものをいい、穽は卜文に穽中に獣をしるす例があるから、獣穽のための字である。
[訓義]
1. おとしあな、あな、おとし、わな。
2. 字はまたに作る。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕穽 アナ・シシノアナ 〔字鏡集〕穽 アナ・アザムク・シシノアナ・イヘ・ホソキ
[語系]
穽()dzieng、井tziengは声義近く、井は井垣。穽もその形に組む。(刑)hyengは型の初文。(けい)は首枷(くびかせ)の形、型は鋳型の形。みな、いげたの形を基本とする字である。
[熟語]
穽淵▶・穽鄂▶・穽陥▶・穽井▶
[下接語]
穽・坎穽・陥穽・檻穽・機穽・虎穽・穽・深穽・設穽
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報