突合(読み)つきあわせる

精選版 日本国語大辞典 「突合」の意味・読み・例文・類語

つき‐あわ・せる ‥あはせる【突合】

〘他サ下一〙 つきあは・す 〘他サ下二〙
① 互いに勢いよく刺したり、強く当てたりする。
※古活字本毛詩抄(17C前)一一「羊がから処へのる時に角をつき合わせてくるやわらいだなりぞ」
② 同時に鐘を撞(つ)く。
※百丈清規抄(1462)三「七下の鐘を撞あわするぞ」
③ 近く向かい合わせる。
※俳諧・炭俵(1694)上「花守や白きかしらを突あはせ〈去来〉」
両方を照らし合わせてくらべる。ひきあわせる。照合する。
史記抄(1477)一二「桀はわるい者の惣名ぞ。夏桀が名につきあわせたでこそあれぞ」
政談(1727頃)二「代々の治の仕方を三代聖人の御代の仕方と対合せて見て」
⑤ 両方を向かい合わせて話をさせる。対席させる。対決させる。

つき‐あわせ ‥あはせ【突合】

〘名〙
両者を対席させること。
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉五「彼(あ)両人と突合せに成ると」
② 両方を照らし合わせること。
椀久物語(1899)〈幸田露伴〉六「其年の精算の突合はせ」
③ 取引市場で、取引所の会員が客の売注文と買注文との同数量のものを組み合わせること。→売買(ばいかい)②。〔新時代用語辞典(1930)〕

つき‐あわ・す ‥あはす【突合】

[1] 〘他サ下二〙 ⇒つきあわせる(突合)
[2] 〘他サ五(四)〙 =つきあわせる(突合)
※詞葉新雅(1792)「カホヲツキアハシテ ひたおもてに」
※夢の女(1903)〈永井荷風〉一七「額を突合して坐って居た」

つき‐あ・う ‥あふ【突合】

〘自ワ五(ハ四)〙 両方から突く。互いに突く。
※古活字本毛詩抄(17C前)一一「つきあわいで和したぞ」
※俳諧・文政句帖‐九年(1826)九月「もち前の角つき合や鹿の恋」

つき‐あい ‥あひ【突合】

〘名〙 突きあうこと。衝突すること。
※俳諧・文政句帖‐五年(1822)閏正月「つき合の凉しや木は木金は金」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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