突掛(読み)つっかけ

精選版 日本国語大辞典 「突掛」の意味・読み・例文・類語

つっ‐かけ【突掛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 他のことをしないで、ただちにそのことをすること。とっかかり。
    1. [初出の実例]「つっかけに先づ医者格がはきき也」(出典:雑俳・柳筥(1783‐86)初)
  3. 物事のしはじめ。とっかかり。
    1. [初出の実例]「面白くなったらばつっかけより茶屋へ行が面白く」(出典:洒落本・郭中掃除雑編(1777))
  4. 歌舞伎の下座音楽の一つ。時代物で、重要な登場人物が、花道から勢い込んではなばなしく登場するときなど、切迫感を出すのに用いる大・小鼓の鳴物。能管・太鼓のはいるときもある。
    1. [初出の実例]「『謀叛の張本武智光秀、御大将へ見参々々』トつっかけになり」(出典:歌舞伎・染替蝶桔梗(1816)一番)
  5. つっかけぞうり(突掛草履)」の略。また、足の指先につっかけてはく手軽なはきもの。サンダルの類。
    1. [初出の実例]「『此お草履でござりますか』『あい、藤倉の突掛(ツッカケ)だ』」(出典:歌舞伎・宇都宮紅葉釣衾宇都宮釣天井)(1874)二幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android