窒化鉄(読み)チッカテツ

デジタル大辞泉 「窒化鉄」の意味・読み・例文・類語

ちっか‐てつ〔チツクワ‐〕【窒化鉄】

鉄の窒化物。Fe4Nは室温強磁性を示す。また、Fe3Nは高硬度で優れた耐摩耗性、耐食性をもつため、フェライト鋼などの表面硬化に用いられる。

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化学辞典 第2版 「窒化鉄」の解説

窒化鉄
チッカテツ
iron nitride

FeとNの化合物.Fe-N系の二元状態図によると,窒化鉄としてFe4N(237.40)およびFe2N(125.70)があげられる.Fe4Nは室温において強磁性を示し,強磁性から常磁性への遷移温度であるキュリー点(キュリー温度)は約490 ℃ である.鉄鋼材料学の分野において,窒化処理法という表面硬化法がある.フェライト鋼をNH3系のガス雰囲気中で加熱すると,はがねの表面に窒化鉄などの窒素化合物が形成し,これにより表面が硬化してはがねの耐摩耗性が向上する.[CAS 12023-64-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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