窒化銀(読み)チッカギン

化学辞典 第2版 「窒化銀」の解説

窒化銀
チッカギン
silver nitride

Ag3N(337.61).雷銀(fulminating silver)ともいう.C.L. Bertholletが,はじめてAg2OとNH3との反応で得た黒色の粉末.アジ化銀AgN3,雷酸銀(silver fulminate)AgONCを窒化銀というのは誤りである.AgClを濃アンモニア水に溶かし,これにKOHを加えると黒色沈殿として得られる.立方晶系.打撃や摩擦に敏感で爆発しやすい.140 ℃ 以上に加熱しても爆発する.冷水に不溶.硝酸では分解してNH4NO3になり,濃硝酸では,爆発的に反応する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の窒化銀の言及

【酸化銀】より

…アンモニア水に溶けやすいが,これを長時間放置すると黒色沈殿を生ずる。これは窒化銀Ag3Nであって,きわめて爆発性が強く危険性が大きい。硝酸銀のアルカリ性溶液をペルオキソ二硫酸カリウムで酸化するとAgOの組成のものが得られるが,これは2価銀の化合物ではなくAgIAgIIIO2の混合酸化状態の化合物と考えられている。…

【雷銀】より

…化学式Ag3N。窒化銀の俗称。C.L.ベルトレによって最初に見いだされたのでベルトレの雷銀ともいう。…

※「窒化銀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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