窪木薬師遺跡(読み)くぼきやくしいせき

日本歴史地名大系 「窪木薬師遺跡」の解説

窪木薬師遺跡
くぼきやくしいせき

[現在地名]総社市窪木

平成二年(一九九〇)から同三年にかけて発掘調査が行われて明らかになった遺跡。総社平野の余水を集めて南部の丘陵沿いに東流するまえ川に臨む低地にある。近年はしばしば冠水する土地であるが、遺構面の海抜標高は七メートル内外なので、あしもり川下流の沖積が進行する以前は、低湿な土地ではなかった。

遺跡は前川の流れる低地に向けて北側から張出した微高地に載っている。弥生時代後期の上東式後半に開始されるが、調査地域で確認された住居跡は一棟のみである。古墳時代になると前半の四世紀から五世紀代の住居跡一三棟が現れ、うち五世紀中葉の一棟からは、鉄・鍛冶滓・砥石など鉄器加工が行われていたことを示す遺物が検出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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