竈戸(読み)そうこ(英語表記)zao-hu; tsao-hu

精選版 日本国語大辞典 「竈戸」の意味・読み・例文・類語

そう‐こ サウ‥【竈戸】

〘名〙 中国の元・明・清代、製塩または塩販売業者の称。唐の時代には亭戸と称した。〔宋史‐食貨志下三・塩上〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竈戸」の意味・わかりやすい解説

竈戸
そうこ
zao-hu; tsao-hu

中国において海塩の生産者をいう。唐代の文献にその名がみえる。亭戸,塩戸,煎塩戸などともいう。塩の生産は重労働で,漢代には罪人が生産に従事させられたりしたが,唐代以来専業戸が生れ,このように呼ばれた。明代には特別に戸籍がつくられた。塩の専売は漢代に始るが,宋代には,竈戸の生産した塩は政府の割当て額である正塩として,それ以外の余塩とともにすべて官に収納された。竈戸の生活が苦しくなると余塩は密売され,専売体系を乱した。海塩のほか池塩,井塩,土塩があるが,それぞれの生産者は畦 (けい) 戸,井 (せい) 戸,鐺 (とう) 戸といわれた。

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普及版 字通 「竈戸」の読み・字形・画数・意味

【竈戸】そうこ

塩やき。

字通「竈」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の竈戸の言及

【塩】より

…なおここでは蒸製燃料に天然ガスをも使っていた。 旧中国では塩の直接生産者は竈戸(そうこ)(海塩),畦戸(けいこ)(池塩)などと呼ばれ,とくに専売法下では一般民戸と区別され,きわめて重い労働に従事させられるのが普通であった。四川の井塩では,とくに明代以後,多数の零細労働者を集め,奴隷労働的な経営が行われてきた。…

【賦役】より

…すなわち,戸籍を4種に分けた。兵役を負担する軍戸,技術労働を負担する匠戸,製塩労働に従事する竈戸(そうこ),および一般の民戸である。民戸の負担する徭役は,里甲組織を単位として賦課され,里長,甲首などは正役と呼ばれて10年に1回,1年間服役して徴税などの仕事に当たる(里甲制)。…

【明】より


[里甲制と税制]
 民政関係について述べるならば,まず人民は戸籍上,軍,民,匠,竈(そう)の4種に分けられているが,これは負担する徭役(ようえき)の違いによる分類である。すなわち,軍戸は兵役,民戸は一般行改の運営上必要な労働,匠戸は技術労働,竈戸は製塩労働を負担する者であった。数の上からいえば,民戸が圧倒的多数を占めていたので,以下は民戸を中心として解説する。…

※「竈戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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