竜田寺(読み)りゆうでんじ

日本歴史地名大系 「竜田寺」の解説

竜田寺
りゆうでんじ

[現在地名]佐賀市久保泉町大字上和泉

かみ和泉いずみ集落の中にあり、南は平地が開ける。奈良西大さいだい寺の末寺で真言律宗に属し、一伊の開山と伝える。一伊は佐々木高綱の弟といわれる。神埼郡田手の東妙たでのとうみよう寺と並ぶ寺と伝えられるように、鎌倉時代の創建にかかると考えられる。

本尊は木彫りの普賢延命菩薩騎象像(重要文化財)で、四頭の象に支えられた二十臂の普賢菩薩像はユニークである。「肥前古跡縁起」によれば元亨三年(一三二三)の作とあるが、台座の蓮内に「南都興福寺 大仏師法眼康俊作 正中三年四月 日」とあって、運慶の六男運助の子と伝えられる康俊の正中三年(一三二六)の作であることがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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