竜門二十品(読み)りゅうもんにじっぴん(その他表記)Lóng mén èr shí pǐn

改訂新版 世界大百科事典 「竜門二十品」の意味・わかりやすい解説

竜門二十品 (りゅうもんにじっぴん)
Lóng mén èr shí pǐn

りゅうもんにじゅっぴん〉とも読む。中国,洛陽の南方約13kmの竜門山には,北魏の494年(太和18)孝文帝が都を洛陽へうつした前後から石窟竜門石窟)が開削され,内壁に多くの仏像が刻まれた。その仏像に付刻された約3600点の造像記の中から,特に書のすぐれたもの20点を選んで〈竜門二十品〉と称し,賞美されてきた。竜門造像記の書は,すでに銭泳(1759-1844),包世臣,楊守敬らによってとりあげられてきたが,康有為の《広芸舟双楫》は二十品の名称をあげている。清末から民国初めにかけて北碑が流行するとともに,その書は広くもてはやされた。二十品の内訳には異説もあるが,普通次の20種が挙げられる。

 長楽王夫人尉遅為亡息牛橛造像記(495),一弗造像記(496),比丘慧成為亡父始平公造像記(498),北海王元詳造像記(498),司馬解伯達造像記(太和年間(477-499)),鄭長猷造像記(501),孫秋生等造像記(502),高樹解佰都卅二人造像記(502),比丘恵感造像記(502),広川王祖母太妃侯為亡夫広川王賀蘭汗造像記(502),馬振拝造像記(503),広川王祖母太妃侯造像記(503),比丘法生造像記(503),安定王元燮造像記(507),斉郡王祜造像記(517),比丘尼慈香慧政造像記(519),魏霊蔵薛法紹造像記(無年月),北海王国太妃高造像記(無年月),楊大眼造像記(無年月),比丘道匠造像記(無年月)。
筆者

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百科事典マイペディア 「竜門二十品」の意味・わかりやすい解説

竜門二十品【りゅうもんにじっぴん】

竜門石窟の古陽洞に刻された造像記うち書法のすぐれたもの20をいう。519年の《慈香慧政造像記》などで,筆者はほとんど不明だが,角張った力強い筆勢のものが清代に評価された。

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