…しかし,K.ゲーデルによって,1931年,算術以上の数学的内容をもった形式的体系がもし無矛盾ならば,その無矛盾性の証明はその体系の中で形式化されうるようなしかたによっては証明できない(不完全性定理)ことが示され,ヒルベルトの計画の遂行は至難なことがわかった。有限の立場を発展させることによって,36年ゲンツェンG.Gentzen(1909‐45)は算術(純粋数論)の無矛盾性を,67年竹内外史は広範な内容を有する解析学の部分体系の無矛盾性を達成した。【柘植 利之】。…
… 本質的に算術を超える内容をもつ実数論ないしは解析学となると,不可避的に集合概念を含むためその無矛盾性の証明は極度に困難である。竹内外史は,53年にLKを拡張して高階の述語論理をゲンツェン・タイプで形式化(GLCと呼ばれる)し,GLCに対してもゲンツェンの基本定理と同様な定理が成り立つという予想(基本予想と呼ばれる)を立て,基本予想が有限的構成的しかたで証明できれば,解析学の無矛盾性は一挙に解決されることを示した。竹内は基本予想の部分的解決を重ねるとともに,その補助手段として構成的順序数の一種であるオーディナル・ダイヤグラムordinal diagramなる概念を導入,その理論の発展と整備補強に努め,広範な内容をもつ解析学の部分体系の無矛盾性を証明した。…
※「竹内外史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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