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竹生島物 ちくぶしまもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

竹生島物
ちくぶしまもの

日本演劇,音楽の楽曲分類名称。琵琶湖の竹生島に関する縁起譚ないし竹生島参詣を題材としたものの総称。 (1) 平曲『竹生島』 『平家物語』巻七「竹生島詣 (もうで) 」を平家琵琶の曲としていう場合の別称。平経正の竹生島参詣を主題とする節物 (ふしもの) の代表曲。 (2) 能『竹生島』 金春禅竹作と伝えられる脇能物。醍醐天皇臣下の竹生島参詣を主題とし,弁財天と竜神に関する竹生島の縁起譚を述べた竜神物。 (3) 能狂言『竹生島参 (まいり) 』 和泉流狂言。大蔵流では『竹生島詣 (まいり) 』と書き,明治以後廃止狂言であるが上演する派もある。古名『ぬらぬら』。太郎冠者が竹生島参詣の嘘をつく話。 (4) 歌舞伎狂言『竹生島』 市村座間 (あい) 狂言。寛文4 (1664) 年『今川忍び車』上演に際して初演。 (5) 義太夫節人形浄瑠璃『源平布引滝』のなかの「布引滝」の段の別称。 (6) 一中節・河東節掛合物『竹生島』 安政1 (1854) 年1世宇治倭文および山彦河良作曲。謡曲による。 (7) 長唄『今様竹生島』  11世杵屋六左衛門作曲。文久2 (62) 年8月江戸中村座『時いま握虎券 (ときはいまやっこのうけじょう) 』に用いられたもので,だいたい謡曲による。 (8) 地歌箏曲 (a) 京物『竹生島』 菊岡検校三弦作曲,八重崎検校箏作曲。竹生島の由来を歌った端歌物。三弦二上り,箏平調子。 (b) 山田流箏曲歌物『竹生島』 千代田検校作曲。謡曲を縮約。箏雲井調子,三弦三下りから本調子。奥歌曲。 (c) 山田流箏曲浄瑠璃物『竹生島』 箏歌。河東節・一中節掛合物。 (6) の河東の部を箏歌として,山田検校門下のキタ女が編曲したものといわれる。一中の部は,1世高橋栄清が箏に移曲。 (9) 常磐津節『竹生島』  1897年竹柴其水作詞,5世岸沢古式部作曲。だいたい謡曲によるが,近江八景や両派の和解を暗示する文句を詠み込み,舞の部分は二上り。

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