第三の選択(読み)だいさんのせんたく(その他表記)Third Option

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第三の選択」の意味・わかりやすい解説

第三の選択
だいさんのせんたく
Third Option

1972年にカナダの M.シャープ外相が用いて以来,カナダの対外政策の基本を示すものとして,あるいはカナダ・ナショナリズム代名詞として用いられる言葉。 P.トルドー首相によれば,第1の選択である北アメリカ大陸統合主義,第2のキューバ型反米主義の双方を排し,アメリカ合衆国との緊密な関係は維持するが,ほか諸国ともアメリカと劣らぬ密接な関係を多岐にわたって展開しようとするのが,第3の選択である。この立場はカナダ史上決して斬新なものではないが,あらためて「第三の選択」を宣言することにより,ヨーロッパ連合 EU諸国および日本との関係を深化しようとしていること,また特に経済の分野資源ナショナリズム傾向を強めていることは注目に値する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android