第三の選択(読み)だいさんのせんたく(英語表記)Third Option

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第三の選択」の意味・わかりやすい解説

第三の選択
だいさんのせんたく
Third Option

1972年にカナダの M.シャープ外相が用いて以来,カナダの対外政策の基本を示すものとして,あるいはカナダ・ナショナリズム代名詞として用いられる言葉。 P.トルドー首相によれば,第1の選択である北アメリカ大陸統合主義,第2のキューバ型反米主義の双方を排し,アメリカ合衆国との緊密な関係は維持するが,ほか諸国ともアメリカと劣らぬ密接な関係を多岐にわたって展開しようとするのが,第3の選択である。この立場はカナダ史上決して斬新なものではないが,あらためて「第三の選択」を宣言することにより,ヨーロッパ連合 EU諸国および日本との関係を深化しようとしていること,また特に経済の分野資源ナショナリズム傾向を強めていることは注目に値する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android