第二沸点(読み)だいにふってん(その他表記)second boiling point

岩石学辞典 「第二沸点」の解説

第二沸点

冷却するマグマ中に気相が生じる時の温度.溶解性のガスを含む系で,蒸気圧と温度の関係が双曲線となっている場合は,曲線の最高点より低い圧力では二つの沸騰点がある.低い温度の方を第一沸点,高温のものを第二沸点という.晶出する結晶中に含まれる揮発性成分の濃度は,共存する熔融体の中に溶けている濃度より常に小さい.熔融体を高温から冷却した場合には,ある圧力で結晶作用が行なわれると,結晶が晶出するにつれて残液中の揮発性成分が増加して蒸気圧が増加する.残液の飽和蒸気圧外圧よりも高くなると熔融体の内部に気相が生じる.蒸気圧が周囲の圧力と等しくなった温度が第二沸点で,この温度で熔融体で沸騰が起こる.すべての蒸気が沸騰し,液が晶出しつくすまで温度は一定に保たれる.第一沸点は液体の温度が上昇して沸騰する時の温度であるのに対して,第二沸点は熔融体の温度降下に際して沸騰が起こる温度をいう[Morey : 1922, Daly : 1935, 片山ほか : 1970].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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