笹島(読み)ささしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「笹島」の意味・わかりやすい解説

笹島
ささしま

名古屋市中村区南東部の地区。名古屋駅がある。名古屋に初めて鉄道武豊(たけとよ)線)が通じ笹島に停車駅ができたのは1886年(明治19)である。当時は名古屋駅といわず笹島ステンショとよんでいた。現在の名古屋駅(1937年完成)より200メートル南の当時の愛知郡広井村字笹島である。当時は水田、ハス田の多い農村地帯であった。納屋(なや)橋で終わっていた広小路も笹島駅まで延長され、1889年笹島は市域に編入された。栄(さかえ)とともに都心繁華街の一部。日本三大貨物駅といわれた貨物専用の笹島駅は1986年(昭和61)に廃止となり、その跡地の再開発が進められている。なお、西臨港貨物線が延伸、旅客化されて2004年(平成16)10月に開業した名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の「ささしまライブ」駅がある。

[伊藤郷平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笹島」の意味・わかりやすい解説

笹島
ささしま

愛知県名古屋市中村区南東部の地区。 1886 (明治 19) 年,県下では最初の武豊鉄道 (現 JR武豊線) が通じ,当時広井村の一部であったこの地に停車場が設けられた。この鉄道は,東海道線敷設工事の資材を,積上げ港の武豊港から東京,神戸の中間地点である名古屋に運ぶためのものであった。名古屋駅は 1937年,200m北に新築,移転し,そのあとを貨物取扱駅の笹島駅とした。 84年,貨物駅は廃止され,跡地は再開発予定地。

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