日本大百科全書(ニッポニカ) 「武豊」の意味・わかりやすい解説
武豊(町)
たけとよ
愛知県南西部、知多郡にある町。知多半島中央東岸に位置する。1891年(明治24)町制施行、1954年(昭和29)富貴(ふき)村と合併。武豊の名は武雄(たけお)神社(旧、長尾村)と豊石神社(旧、大足村)の頭字によった(1878)。JR武豊線、名古屋鉄道河和(こうわ)線が通じ、河和線は富貴駅で知多新線を分岐する。また、国道247号が走り、南知多道路武豊インターチェンジがある。武豊線の開通は東海道線の資材輸送が目的で、1886年(明治19)東海道線全通より3年早く開通し、また名古屋港より8年早く1899年武豊港が県下最初の貿易港に指定され、武豊の名が世に知られるようになった。1957年(昭和32)半田市、武豊町、大浜など衣浦(きぬうら)8港をあわせて衣浦臨海工業地域が造成されると、武豊町は有力基地の一つとして近代的製鋼工場、火力発電所が、従来の油脂工業に加えて立地した。浦島太郎生誕の地との伝承が残されている。町の北西部にある壱町田(いっちょうだ)湿地植物群落は県指定天然記念物、また南西部には24ヘクタールに及ぶ町立自然公園がある。面積26.38平方キロメートル、人口4万3535(2020)。
[伊藤郷平]
『『武豊町誌』全4巻(1979~1986・武豊町)』