筋肉増強剤(読み)きんにくぞうきょうざい

百科事典マイペディアの解説

筋肉増強剤【きんにくぞうきょうざい】

スポーツ選手が筋肉を増強させるための薬剤。国際オリンピック委員会などのドーピング規準で,競技での使用を禁じられている。代表的なのはアナボリック・ステロイド(タンパク同化ステロイド)。これは男性ホルモンをもとにつくられた合成物質で,体内に摂取したタンパク質を筋肉に変える作用を強める。本来は医薬品として開発されたもので,未熟児の発育を促進させたり,病気や手術で体力を消耗した患者の回復を早めるために使われている。アナボリック・ステロイドを女性が長期間使うと,体毛が濃くなったり,声が低くなり,男性でも前立腺の働きが悪くなる。この他にも,肝臓や胃腸の障害など,多くの副作用がある。1988年,ソウルオリンピックでカナダのベン・ジョンソンがアナボリック・ステロイドを使ったことが発覚して,金メダルを剥奪(はくだつ)された。このほかの筋肉増強剤には,男性ホルモン剤,成長ホルモン剤などがある。医薬用で喘息(ぜんそく)治療に使うβ2作動薬も,男性ホルモンの分泌を促進する働きがある。

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