筑摩御厨(読み)つくまみくりや

精選版 日本国語大辞典 「筑摩御厨」の意味・読み・例文・類語

つくま‐みくりや【筑摩御厨】

〘名〙 奈良平安時代皇室御領一つ。琵琶湖東岸(滋賀県米原市)にあり、鮒を皇室に貢上した。大膳職所管、のち延暦一九年(八〇〇内膳司管轄に移り、延久二年(一〇七〇廃止
延喜式(927)三九「造醤鮒鮨鮒各十石、味塩鮒三石四斗 近江国筑摩厨所進」

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世界大百科事典(旧版)内の筑摩御厨の言及

【琵琶湖】より

… また漁労も網,釣りをはじめ(えり),(うけ),諸川における網代(あじろ),が用いられただけではなく,鳥の捕獲,鵜飼,さらに縁辺では鷹飼による狩猟も行われた。その中で早くから天皇家と結びついたのは,宇治網代,息長(おきなが)氏の根拠筑摩御厨(つかまのみくりや∥ちくまのみくりや)で,天智天皇の設置という所伝をもつ筑摩御厨は大膳職に属し,その長は膳部から選ばれ太政官符によって補任(ぶにん)されており,魚,未醬などを貢献した。この御厨に属した調丁はおそらく湖の各所に根拠をもつ海民であったろう。…

【琵琶湖】より

… また漁労も網,釣りをはじめ(えり),(うけ),諸川における網代(あじろ),が用いられただけではなく,鳥の捕獲,鵜飼,さらに縁辺では鷹飼による狩猟も行われた。その中で早くから天皇家と結びついたのは,宇治網代,息長(おきなが)氏の根拠筑摩御厨(つかまのみくりや∥ちくまのみくりや)で,天智天皇の設置という所伝をもつ筑摩御厨は大膳職に属し,その長は膳部から選ばれ太政官符によって補任(ぶにん)されており,魚,未醬などを貢献した。この御厨に属した調丁はおそらく湖の各所に根拠をもつ海民であったろう。…

※「筑摩御厨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」