策文(読み)さくぶん

精選版 日本国語大辞典 「策文」の意味・読み・例文・類語

さく‐ぶん【策文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制における官吏登用試験の漢文で書かれた問題文(策問)および解答文(対策)。策。さくもん。
    1. [初出の実例]「一、策文事。贈左府記云、本儀は、問は問頭儒かく、対は試衆かく、題は題者これを出す、近来は問・答・題皆問頭沙汰也」(出典:桂林遺芳抄(1515))
  3. 天皇の命を伝える和文体詔勅(宣命)で書かれた公文書の称の一つ。古訓は「ミコトノリ」「オホムコト」。立太子、山陵への奉告僧綱郡司任命などに用いられた。「文徳実録」と「三代実録」だけに見られる。さくもん。
    1. [初出の実例]「遣権中納言橘朝臣岑継、告深草山陵、以即位之由、其策文曰、掛畏き天皇朝庭に恐み恐みも申賜く〈略〉思食事を恐み恐みも申賜くと奏」(出典日本文徳天皇実録‐嘉祥三年(850)四月癸亥)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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