篠田保(読み)しのだほ

日本歴史地名大系 「篠田保」の解説

篠田保
しのだほ

海東かいとう郡に属する。国衙領。現美和町篠田辺りか。文和二年(一三五三)七月日付の尾張国郷保地頭正税弁済所々注進状案(醍醐寺文書)に「篠田保 二十八貫百五十文 上竹入道」とみえ、上竹入道により地頭請が行われ、国衙領管領三宝さんぼう院へ正税二八貫余が納められていた。しかし守護土岐頼康の没後、三河守護一色氏の一族による海東郡守護職支配が行われるに及び、当保を含む海東郡内の国衙領はすべて一色氏の所領となる。応永四年(一三九七)一二月五日付の尾張国在庁等注進状(同文書)に、国領初任検注料足未進として「七十三貫七百六十四文 (海東)郡篠田保 (一色殿)御領一向無沙汰之」、また同六年分の国衙正税未進注文(同文書)に「拾壱貫弐百九文 篠田保 未進分 (一色殿)御知行」などとみえ、国衙領主の支配も及びがたい状況となっていった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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