篭者(読み)ろうしゃ

精選版 日本国語大辞典 「篭者」の意味・読み・例文・類語

ろう‐しゃラウ‥【牢舎・籠ロウ舎・籠ロウ者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 人を人屋(ひとや)に押しこめること。牢屋に入れること。また、牢屋に入れられること。入牢。
    1. [初出の実例]「慶紹籠者間事」(出典:東寺百合文書‐ち・文安六年(1449)六月八日・二十一口方評定引付)
    2. 「王城中の喧嘩闘諍火事悪徒無法之者搦捕、死罪流罪籠舎(ラウしゃ)をこなうべき也」(出典:世鏡抄(室町末か)上)
  3. 人を押しこめておく屋舎。罪人囚人を拘禁しておく建物。牢屋。牢獄獄舎
    1. [初出の実例]「少き御心にさまよひありき給ける程に、彼の籠舎(ロウシャ)の砌に迷行」(出典:源平盛衰記(14C前)六)

篭者の補助注記

和製漢語か。幽閉・禁獄の意味で用いられ、古くは「籠舎」「籠者」と表記。「牢舎」「牢者」などの「牢」の字は、後に新しい語源解釈によって与えられたもの。


ろう‐しゃラウ‥【牢者・籠ロウ者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 牢に押しこめられている人。囚人。
    1. [初出の実例]「召し候こと、又は籠者などの事」(出典:禅鳳伝書‐毛端私珍抄(16C前))
    2. 「をさへてとられて籠者となる」(出典:幸若・築島(室町末‐近世初))
  3. ろうしゃ(牢舎)

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