紀勢町(読み)きせいちよう

日本歴史地名大系 「紀勢町」の解説

紀勢町
きせいちよう

面積:六八・五〇平方キロ

紀伊半島の東海岸、紀伊山脈の東縁に位置する。南部のにしき地区は熊野灘に臨むリアス海岸、北西部のさき柏野かしわの地区は大台おおだい山系下の農山村地帯。東は南島なんとう町、西は大内山おおうちやま村・北牟婁きたむろ紀伊長島きいながしま町、北は大宮おおみや町に接し、大内山川が北東を貫流する。国道四二号から分岐する県道羽下―沖田線が国道二六〇号に吸収され山村地域と漁港を結び、錦峠(二一六メートル)を下り湾岸を紀伊長島町に通じている。町域の九割を山林地帯が占め、林産物のほか椎茸栽培の好適地であり、林業に依存するところが多い。明治三六年(一九〇三)漁業組合が成立、その後錦鰤大敷組合が設立され、昭和一〇年(一九三五)頃には錦は鰤・鰯の豊漁で知られた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報