日本歴史地名大系 「紀氏雑録」の解説
紀氏雑録
きしざつろく
一五冊
成立 天保八年
浄書本 佐倉厚生園
解説 題簽には「天保校訂紀氏雑録」とみえる。佐倉藩主堀田氏の系譜に関係した藩の諸記録を収集・編纂したもので、堀田家文書に含まれる。堀田氏は近世中期以来数度にわたり系譜編纂事業を続け、宝暦一〇年に没した正亮までの系譜を天保六年「系譜備考」五八巻として編纂。内訳は「諸窺書之類」、「御本系譜」(藩主系図)、「御末系譜」(堀田一族の系図)、「御家譜」(藩主の年譜)、「叢書」(藩主の著作物)、「雑録」(系譜に関係した藩の諸記録)。「紀氏雑録」はこの「雑録」をさらに増補して完成。系譜編纂に使用した史料を中心に、代々の藩主や春日局など縁者に関する覚書や逸話、幕府との交渉、領地、藩制・軍制史料、家臣団の取立ての記録や分限帳などが多い。八冊の「御領知村附」などに県内の地名が散見する。
活字本 「千葉県史料」近世編
紀氏雑録
きしざつろく
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報