精選版 日本国語大辞典 「紙遣」の意味・読み・例文・類語
かみ‐づかい‥づかひ【紙遣】
- 〘 名詞 〙
- ① 紙を使用すること。
- ② 紙の色あいなどに気をくばること。
紙遣の語誌
( 1 )平安貴族は、手紙をやる場合でも、目的に応じて、紙質・紙色・模様・薫り・字の書き様から、さらにその手紙を結ぶ植物などの景物まで、あらゆるものが、その場その時に調和する美を重んじた。
( 2 )紙屋紙は綸旨・宣旨などの公文書に、陸奥紙は日常用途に、唐紙・高麗紙は扇などの装飾用になどの別があり、恋文には、薄様が常であった。
( 3 )紙色も、恋愛の男女の間では、紅・青・緑といった華やかな色調が普通であり、日常通信には格別目立つ配色をしない。したがって、内容は見なくても、外見だけで内容もだいたい推測できた。