素飛(読み)すっとばす

精選版 日本国語大辞典 「素飛」の意味・読み・例文・類語

すっ‐とば・す【素飛】

〘他サ五(四)〙 (「すっ」は接頭語)
① 物を勢いよく飛ばす。
※夢声半代記(1929)〈徳川夢声〉松之助劇の事「片っ方の材木客席にスッ飛(ト)ばした事がある」
② 「失う」「なくす」を強めていう語。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉渡風流水「掛換があったからいいんだけど、どこへすっ飛ばして来ちゃったかと思ってね」
③ 車などを速く走らせる。
※夢声半代記(1929)〈徳川夢声〉月給十円時代余録「電車運転手が、全速力でスッ飛(ト)ばす時など」
順序を飛ばす。
※続百鬼園随筆(1934)〈内田百〉大晦日「十二月なんか、すっ飛ばして、秋からいきなりお正月になった」

すっ‐と・ぶ【素飛】

〘自バ五(四)〙 (「すっ」は接頭語) 勢いよく飛ぶ。勢いよく飛び出る。
婦系図(1907)〈泉鏡花〉前「書生が、すっ飛んで、格子を出て、何処へ急ぐのか」

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