何処(読み)イズク

デジタル大辞泉の解説

いず‐く〔いづ‐〕【処】

[代]《「いずこ」の古形不定称指示代名詞。どこ。
「―より来りしものそ」〈・八〇二〉

いず‐こ〔いづ‐〕【処】

[代]《「いずく」の音変化で、平安時代以降の語》不定称の指示代名詞。どこ。
「むかしの光いま―」〈晩翠荒城の月

いど‐こ【処】

[代]《「いずこ」の音変化》「どこ」の古形。
「ここや―と問ひければ」〈土佐

ど‐こ【処/所】

[代]《「いづこ」の音変化「いどこ」がさらに変化した語》不定称の指示代名詞。はっきりと指示できない場所や状況などをさす。
どの場所。どの部分。どんなところ。「―へ行こうか」「―が悪かったのか」
どのような程度。どのような段階。どれ程。「―まで本気なのか」「仕事は―まで進んでいるのか」「―も痛くない」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

いずく【何処】

( 代 )
〔「いづこ」の古形〕
不定称の指示代名詞。どこ。いずこ。 「 -より来りしものそ/万葉集 802
[句項目] 何処はあれど

いずこ【何処】

( 代 )
〔「いづく」の転。中古以降の語〕
不定称の指示代名詞。どこ。 「 -も同じ」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

いず‐く いづ‥【何処】

〘代名〙 (「く」は場所を表わす接尾語) 不定称。場所を表わす。「いづこ」の古形だが、平安時代以後も併用された。どこ。
※古事記(712)中・歌謡「この蟹や 伊豆久(イヅク)の蟹 ももづたふ 角鹿(つぬが)の蟹 横去らふ 伊豆久(イヅク)に到る」
※歌舞伎・傾城仏の原(1699)二「『いづくへも立退かん』ト打ちつれ出でんとしたりしが」

いず‐こ いづ‥【何処】

〘代名〙 (「いずく」の変化した語) 不定称。場所を表わす。平安時代から用いられた。どこ。
※神楽歌(9C後)採物「本 このは 伊津古(イつコ)の杖ぞ 天にます 豊岡姫の 宮の杖なり」
※読本・春雨物語(1808)樊噲上「いづこより来たる。あやしき男也」
[語誌]和文資料では場所を問う用法に限定されるが、平安期の訓点資料には「いづくにか・いづこにか・いづくにぞ・いづこにぞ」のような形で、理由を問う用法が現われる。特に「ぞ」を伴う形には場所を問う用法はなく、「いづくんぞ」などの訓点語を生みだした。

いど‐こ【何処】

〘代名〙 (「いづこ」の変化したもの) 不定称。「どこ」の古形。
※三条西家本土左(935頃)承平五年一月二九日「『ここやいどこ』ととひければ、『とさのとまり』といひけり」

どっ‐こ【何処】

〘代名〙 「どこ(何処)」を強めた、俗ないい方。
※杜詩続翠抄(1439頃)七「とっこまでも遠く行んず」

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