ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「終末論的神話」の意味・わかりやすい解説 終末論的神話しゅうまつろんてきしんわeschatological myth いままでの世界が崩壊し,そののちにこれまでとは違った,まったく新しい秩序に基づいた世界が建設されるという,世界の終末と更新について物語った神話。これには2つのタイプがあり,一つは起源と以後の堕落についての締めくくりとして過去の出来事として語られる場合で,旧約聖書の「ノアの箱舟」について語られる洪水神話などがこのタイプに含められる。もう一つは未来に起る世界の終末とその後の新しい世界についての神話で,古代ユダヤ民族やその信仰に基盤をおくキリスト教の黙示録的世界もまた世界の終末を語っている。世界の終末とともに大多数の人は滅び去るが,滅亡を招く堕落にくみしなかった少数者は生延びる。未来の終末論的神話の分布は限られたもので,これは高文化あるいはその影響下にある地域に多く,無文字社会などではあまりみられない。また人間の死後の運命に関する神話をこの分類に含める者もいる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by