経力湯跡(読み)きようりきのゆあと

日本歴史地名大系 「経力湯跡」の解説

経力湯跡
きようりきのゆあと

[現在地名]富山市経力

用水の際に小池として跡地が残る鉱泉。加賀藩初期の十村役を勤めた九郎左衛門家(松井家)の祖が発見、薬師如来を奉祀して霊鶴れいかく源泉と名付けたという伝承をもつ(興国寺文書)富山藩主九代前田利幹は文化二年(一八〇五)二月にこの湯で雪見の宴を催し、この時に経力温泉冬景色の図(富山市郷土博物館蔵)を描かせた。弘化三年(一八四六)富山藩産物方役所は経力村温泉取締役に利田屋宗右衛門と宝屋弥三兵衛を、調理役仕入商扱方に安養寺屋忠助・茂住屋平八を任命した(高堂家文書)。明治二〇年(一八八七)の記録(上新川郡統計書)には「霊鶴源鉱泉、経力村字引地割、摂氏三十五度、冷泉、塩気ヲ含ム、金創ニ効ク」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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